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アクセサリーとしての文庫本

 今日で2クール目のTS-1による化学療法は終わり。副作用はほとんどありませんでした。これから2週間の旧約機関(厨二っぽくて割と気に入っている)ではなく休薬期間。それからCTの検査です。

 京都にいるときにはそれほどではなかったと思うのですが、最近電車に乗ると一両の中のすべての人が携帯をいじっているのを良く見かけます。僕が受験で京都に来て初めて地下鉄に乗ったとき、小学生ぐらいの子がユゴーの『ああ無情』(Arm Joeではない)の文庫を当たり前のように読んでいるのを見て、「これが1200年の都の文化レベルだ」と驚いたのを覚えていますが、最近では電車で活字を読んでいる大人も少なくなりました。中学生の時に電車の中でゲーム機をいじっていると、同行していた親に「みっともないからやめなさい」とか言われたものでしたが、今は大人が人前で堂々と携帯ゲームをしてるのが日常的な風景になりつつあります。また、夜に飲みに行こうとある店に入ったら、カウンターで中年男が4人並んでみんなうつむいて携帯をいじっているのが店に入る前に見えて、ちょっとした営業妨害だな、と思ったらお店の人も携帯をいじっているのを見て、結局入るのをやめたことがあります。

 別に人前で携帯をいじるのが悪いというわけではありませんが、いい年をした人間がずらっと並んで小さいおもちゃみたいなものをちまちま操作しているのはやはり異様な光景に見えます。今はお酒は飲めませんが、携帯禁止のバーがあったら(実際古くからある有名店などでは、暗黙の了解で禁止になっているところもあるみたいですが)、きっと通い詰めるでしょう。

 やはり、電車や喫茶店、バーなど人目のある場所で一人でいるときは、携帯ではなく文庫本を読むのが、その場の雰囲気を壊さない時間の過ごし方としてふさわしいでしょう。それでは、そのような時に読むのに適した本はどのようなものでしょうか。誰が言ったかは忘れましたが、「文庫本は数百円で買える最高のアクセサリー」という言葉を昔聞いたことがあります。自分の年齢、性別、雰囲気や服装、どの場所で読むかを考えて、表紙やタイトルも含めて本をコーディネートして読むことができれば、その本は読む人の魅力を増してくれるでしょう。例えば新海誠のアニメ映画『秒速5センチメートル』のワンシーン。田舎の駅で電車を待つ清冽な美しさを持つ女子高生(実写化するなら、桜庭ななみか山下リオが適役と言っている人がいました)が読んでいるのは、田舎町で変わった人たちと不思議な生活を送る少年の成長を詩的に描いたカポーティの『草の竪琴』。表紙も含めて、これ以上のチョイスは僕にはできません(次の動画の3分40秒ごろ http://www.youtube.com/watch?v=aAUi1NuOnJ0 )。

 では、表紙、タイトル、作家名、内容などから考えて、「人前でカバーをつけずに読みたい文庫本」を3冊ほど。これらは相手が読書家だったら、数十万円のエルメスやロレックスよりも効果的なアクセサリーです。

1.ミラン・クンデラ『存在の耐えられない軽さ』

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)存在の耐えられない軽さ (集英社文庫)
(1998/11/20)
ミラン・クンデラ

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現代ヨーロッパを代表するチェコ出身の作家が描く、政治と愛の物語。帯をつけると、ちょうど表紙がトリコロールですね(クンデラは今はフランス在住)。

2.アーネスト・ヘミングウェイ『移動祝祭日』

移動祝祭日 (新潮文庫)移動祝祭日 (新潮文庫)
(2009/01/28)
アーネスト ヘミングウェイ

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表紙はパリのカフェの写真。ヘミングウェイがパリ修業時代を回顧したエッセイ。どちらかというと男性に似合う本です。

3.佐藤亜紀『バルダサールの遍歴』
バルタザールの遍歴 (文春文庫)バルタザールの遍歴 (文春文庫)
(2001/06)
佐藤 亜紀

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ウィーンを舞台にした、一つの体を共有する双子の退廃的な遍歴の物語。表紙のラテン語Et in Arcadia ego「我もまたアルカディアにあり」は有名な墓碑銘です。

 文庫本一冊の温室効果ガスはわずか(確か単行本で二酸化炭素2kgほどだから、その半分以下?)。読書は環境への負担が少ない娯楽です(一応環境系ブログなんで、とってつけたような説明)。
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No title

大熊(略)さん おはようございます。
タイトルからしていいですね。

数ヶ月前、知り合いの書店員さんたちと飲んだのですが
その時、皆持っていた本がバラバラで、おもしろかったのを思い出しました。

50代の海外ミステリ・SF好きの男性が
昔、好きだった女の子が『夏への扉』を読んでいたのを大切に語っていたのを
思い出します。

・・・ちなみに今、自分が持っている文庫本は
『屋根裏の散歩者』・・・
うーん。何か終わってますね。確実に。

No title

『夏への扉』は、早川の中でも表紙のデザインが優れていますね。SFは『月は無慈悲な夜の女王』とか、『たったひとつの冴えたやりかた』みたいなタイトルはいいのに表紙が残念なものが多いので。

乱歩は人前で読むのがためらわれる作家の一人ですね。本棚の奥にこっそりしまっておきましょう。
プロフィール

大熊座から来た男

Author:大熊座から来た男
HNは池澤夏樹『スティル・ライフ』より。
ブログ名は、ツンデレ美少女風に読んでください。
CV:今井麻美、斎藤千和推奨。

膵腺房細胞癌という非常に珍しい病気と闘いながら、気候変動(特に北極圏問題)や気候工学(ジオエンジニアリング)について学んだ情報を発信していきます(体調不良のため、最近は闘病ブログになりつつあります)。気候学は独学で勉強中なので、いろいろとご指摘お願いします。

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