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航空機温室効果ガス問題の難しさ

 本日、僕も授業を担当している大学の「国際英語プログラム」の説明会で、授業の説明の後に北極圏の現状とカーボンオフセットについて話させてもらいました。このプログラムに参加する学生は海外渡航を希望している人が多く、その際に大量に排出することになる航空機の温室効果ガスについて知ってもらいたいと思ったからです。プログラムに不利になるにもかかわらず、発表を許可してくださった担当の方に感謝します。

 ですが、結果は残念なものでした。貴重な機会なので充分に準備をして臨んだのですが、僕の前に授業説明をした二人の外国人講師がだいぶ時間を取ったことなどで、僕の発表の時には終了予定時間を超過していました。昼休みだったため、時間がない学生は帰ってよいと言ったのですが、一番前に座っていた外国人講師が早々と席を立ち、また多くの学生が帰り支度を始めたため、残っていた3分の1ほどの学生に説明している時には騒音でろくに発表が聞き取れない状態でした。それでも聞いてくれた学生には感謝します。説明会の前に、内容をまとめたハンドアウトを配布してもらったのですが、どのぐらいの人がそれを読んでくれたのでしょうか。

 僕はある程度はこの結果を予測していました。航空機の温室効果ガス問題は、環境団体ですら一種のタブーとしているように感じていたからです。過去にいくつかの環境団体の人にこのテーマを提案して、黙殺されたり皮肉を言われたりしたことが何度かあります。ましてや、英会話という航空機がなければほとんど成り立たないものを学んだり教えたりする人たちにとってはなおさらでしょう。

 この問題がタブー視される理由として、航空機の排出規制はビジネスとして成り立たないことが考えられます。自動車や住宅などの分野では、ハイブリッドカーや太陽光発電などの推進により、環境に貢献すると同時に利益を上げることができます。しかし、航空機はハイブリッド化や電気化がほぼ不可能です(航空機にはブレーキがないため。また電気飛行機はセスナレベルが限界)。ボーイング787は20%ほど燃費の良い航空機として期待されていましたが、多くの不具合によりいつ飛行が再開されるかわかりません。

 しかし、ビジネスにならないから、誰も得をしないからと言って無視してよい問題でしょうか。世界の航空機による温室効果ガスは、年増加率5%(東京大学岡野まさ子准教授の資料より)として計算すると、RFI=2.7で計算して2013年現在年間26億トンにも及びます。これはアメリカの年間55億トンの半分で、ロシアやインドの排出量の二倍となります。2025年には40億トンと予想され、地球が吸収できる実質90億トンの約半分となります。

 「国際化」はほぼ無批判に正しいこととされ、それに異を唱えることは多くの人の批判を呼びます。僕も他国の人との交流や、外国文化に直接触れることはとても大事だと思います。しかし、その負の側面は見て見ぬふりをされています。子供に借金を残して海外旅行に行っている大人が国際化と言っても、その言葉に説得力はありません。その借金が、温室効果ガスという目に見えないものであっても同じはずです。 
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TPP参加で…

 やはり、炭素税が有効なのでしょうか。

 旅客はもちろんですが、特に貨物については、航空機も船も税率を高くして。

 食もエネも地産地消に、可能な限りシフトすべきと思いますがTPP参加で逆行しそうです。困ったもの。

No title

 炭素税の導入にはまだ時間がかかります。それまでは温室効果ガスの「責任の所在」をはっきりさせるために、身銭を切ってカーボンオフセットに参加してそれを公表するという行動が有効と思います。

 僕は航空機利用をオフセットしています。もっと余裕があれば、電力やガスもオフセットしたいです。
プロフィール

大熊座から来た男

Author:大熊座から来た男
HNは池澤夏樹『スティル・ライフ』より。
ブログ名は、ツンデレ美少女風に読んでください。
CV:今井麻美、斎藤千和推奨。

膵腺房細胞癌という非常に珍しい病気と闘いながら、気候変動(特に北極圏問題)や気候工学(ジオエンジニアリング)について学んだ情報を発信していきます(体調不良のため、最近は闘病ブログになりつつあります)。気候学は独学で勉強中なので、いろいろとご指摘お願いします。

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