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2014 春夏の傾向と対策

 今年の春夏は、有力ショップや雑誌が大きくフレンチカジュアルに転向すると考えていたのですが、大きな傾向は変わらないようです。やはりフレカジはアイビーの一変種に過ぎないのでしょうか。その中でもセレクトショップのEdificeと雑誌のBeginは比較的フレンチ寄りのスタイリングが見られました。また病院の待合で久しぶりに『笑っていいとも』を観たのですが、テレフォンショッキングで出ていた小沢健二が、ほぼ20年前のフレンチアイビーそのままのスタイリング(ボーダーシャツと紺のジャケット)をしていたのが印象的でした。

 もたもたしている間に、僕の入院している所では最高気温が20度ほどになりました。この気温でのフレンチカジュアルのスタイリングと言えば、ボタンダウンの上にSt.Jamesのボーダーシャツ、ホワイトジーンズが定番ですが、いくらなんでもベタ過ぎ、古すぎます。20年前と全く同じなので、40前後がやると当時の服を引っ張り出してきているようにしか見れません。
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シャツはスタンドカラーのもの。カーディガンはSt.Jamesをバラシて再構築したような国内デザイナーkiitのもの(新古品で約60%off)を。パンツはウエストか裾にイージーパンツの要素があるデザインのものがよいでしょう。

 中年がアレンジをせずに定番を着ていると、結構気恥ずかしいです。年を取っているからこそ、着てきたものにそれまでの遍歴が現れるわけで、何も考えずに手抜きでボーダーを着てきた人と、いろいろな服を着てきて今またボーダーを着る人との間のフレンチカジュアルには歴然とした差が出てきます。

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生涯保証の破れない靴下

 僕の住んでいる場所は雪国なので、一週間の天気予報にすべて雪マークがついていることも珍しくありません。降っていなくても道には雪が積もっている状態が普通のため、冬はレザーソールのドレスシューズなど履くことはめったになく、ジャケットを着ても足元はDannerやRed Wingのような防水性のあるブーツや、降雪のひどいときにはHunterの長靴にウールのインソールを入れて履いています。

 このようなブーツには当然ウールの厚手の靴下になるのですが、結構高価で消耗品であるため、毎年何足ずつか買い換えると数千円ほどにもなります。もったいないと思っていたら、一生買い換え不要の靴下を見つけて2年ほど使っています。アメリカの靴下専業ブランド、Darn Toughというところのものです。


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ウールを中心に化繊を混紡し、摩耗しやすいつま先とかかとを補強してあります。かなり厚手なので暖かく、足元が冷えやすい冬に最適です。しかしこの靴下の最大の特徴は、普通に使っていて破れたら、どれだけ使っていても新品に交換してもらえるという生涯保証がついていることです。消耗品の靴下に保証など、常識ではありえません。

 僕は2年ほど履いているのですが、一向に破れる気配はありません。アウトドアで使っている人も同様なようです。安物の靴下を毎年買い替えるより、これを2,3足買えば買い換えるお金、時間、靴下を作るエネルギーや資源のすべてを節約できます。価格は2000円を超えますが、それを考えると安いものでしょう。

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約1万円で、最旬のダウンスタイルを

 環境と経済を両立させる消費スタイルとして、「良いものを買って長く使う」ことが大切であることは、このブログで何回か書いてきました。そして洋服において、「長く使う」ことは、何年もの間同じものを使うだけでなく、一つの服を一年の中で長い期間着ることも含まれます。そして、これは気候変動のために最近では難しくなっています。

 地域にもよりますが、夏の期間が延びて一年のうちに5~9月までの5か月はシャツだけで過ごせるほどの気温になってきたため、春物のジャケット、アウターは3~4月、秋物は10~11月のそれぞれ2か月ほどしか着ることがなくなってしまいました。また暖冬により、ダウンジャケットのような真冬専門のアウターが必要な期間も短くなっています。

 そこで今注目を集めているのが、インナーとして着ることを前提に作られた薄手のダウンです。雑誌2ndの今月号では、これの特集をやっています。インナーダウンは秋、春はカーディガン代わりとして、冬はジャケットやコートのインナーとして利用できます。だから冬は出番のなくなっていたツイードジャケットやスエードブルゾンなどの秋服を、冬にも有効活用することができます。また薄手なので取り扱いが楽で値段も安価です。薄くても保温性は十分で、半袖もあります。


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(2013/11/16)
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 このインナーダウンのブームは、NYで活躍する日本人デザイナーの鈴木大器氏が日本のアウトドアブランドMont-Bellのダウンカーディガンを愛用していたことが始まりでしょう。Mont-Bellというと、失礼ながら老人向けの週末ハイキングウェアというイメージがあったので、氏のブランドEngineered Garmentsの母体であるセレクトショップNepenthesでこのカーディガンの扱いが始まったときには正直意外でした。洋服自体は何の変哲もなく、野暮ったささえ感じるようなものでしたが、それをジャケットやコートのインナーに取り入れることで、不思議と都会的な洗練が生まれるという洋服の奥深さを示すものです。Popeyeのチープ・シック特集号にも紹介されています。


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(2013/08/26)
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 最近このダウンカーディガンを安く手に入れたので(ポイントがついて、実質8000円とちょっと)、Engineered GarmentsのダブルのツイードJKに合わせてみました。丸襟なのでジャケットの襟と干渉しません。グレーのツイードJKは秋服の基本中の基本ですが、普通に着てしまうとオサーンを通り越して老人風になったり、また教師の場合は金八風になってしまう危険があります。タイトなダブルのようなデザインを選び、インナーに差し色をもってくることで、それを防ぐことができます。

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このタイプのインナーダウンを着るときのポイントは3つ。

・タイトなシルエットを選び、あくまでインナーとして着る。
これをアウターにして下にいろいろ着こむと、ペラペラのユニクロダウン風の安っぽいイメージとなります。保温のためのインナーと割り切りましょう。

・黒は避ける。
黒いナイロンのダウンは、おそらく今最もファッショナブルからほど遠い冬服でしょう。よっぽどコーディネートに自信がない限り、黒以外が無難です。

・マウンテンパーカ等、アウトドアウェアとは合わせない。
本来登山用の防水パーカ等のインナーとして作られているので、アウトドアウェアと合わせるとまんま登山スタイルです。山に登るとき以外は避けましょう。

 ここ数年冬にダウンを着ている人が増えて、正直飽きている人も多いと思います。今年はダウンはインナーにして、すっきりとしたスタイルで冬を過ごすのはどうでしょうか。

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原体験と想像力:アランセーターから考える成熟した消費

 原体験という言葉があります。主に幼少期~青年期に体験したことで、その人の思想や趣味、嗜好に大きな影響を与えた体験のことです。例えばミュージシャンのインタビューなどで、「小学生の時にラジオから流れてきたビートルズを聞いて~」というようなやつです。大体大人になってから本や映画などに確固たる判断基準を持っている人は、遅くとも中学生までにこのような原体験に相当するものがあるように思えます。

 洋服に関しても同じようなことが言えると思います。大人になってお金の余裕ができてから洋服に興味を持った人の場合は、原体験に根差した判断基準を持たずに、時流のスタイルに流されてお仕着せの格好になりがちです。それに対して10代のお金のない時期から、古着屋やワーク、ミリタリーものなどを活用して少しでもかっこいいスタイルをお金をかけずに実践した人は、たとえ同じようなものを着ていても、その中にリアリティーを感じます。

 僕にとっての洋服の原体験とは、中学2年の時に母親に連れて行ってもらったデパートの英国物産展で買ってもらった、クルーネックのアランセーター(ケーブル編みの手編みのセーター)でしょうか。母親は自分が編み物をしていたので、おそらく編み方の勉強もかねて買ってくれたのでしょうが、手編みの本場のイギリス(おそらくスコットランドかアイルランドのものだったと思います)のモスグリーンのニットは、ゲームしか興味のない田舎の男子中学生から見ても他の洋服とはっきりと違う本物の風格を持っていました。それを作った人の技術と労力が一目でわかるような素晴らしいものでした。

 このセーターは中学時代は学生服の下に、高校に入ってからは米海軍のピーコートの下にと冬になると愛用していました。だから予備校時代の冬に、実家から送ってもらった時に母親が保管に手を抜いて虫食いができていたときは、本当に腹が立ちました。ただお金がもったいないだけでなく、これほど丁寧に作られたものの価値を減じてしまうことが製作者にとっての裏切りのようにも思えたからです。

 本や映画などに限らず、洋服に関しても僕は幸福な原体験をすることができたと思います。今の時代、このように製作者の苦労にまで想像力が及ぶ洋服がどのぐらいあるでしょうか。たいていの洋服が中国などの工場で作られる大量生産品になってしまった時代、それらを見て生産者のことを想像し大切にするというのは、マクドナルドのハンバーガーを食べて食べ物の大切さを学ぶことと同じぐらい困難なことかもしれません。ですがこれから資源、エネルギーを大幅に削減しつつ経済を失速させないという困難な課題に取り組まなければならない時代、少しでもいいから本物の洋服に触れ、技術やデザインという物質でないものにお金を払う価値観を形成するということは、重要性を増しているように思えます。

スコットランド、Inverallanのアランセーター。一着編むのに90時間ほどかかり、製作者の署名が紙タグに入ります。真冬は風を通すので、キルティングや薄手のダウンのヴェストを挟むといいでしょう。

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最少の買い足しで'13A/W最旬スタイルを

 僕の住んでいる地域では、明日から3日ほど気温が12℃前後になり、雪が降る可能性も出てきました。いよいよ冬もののアウターが活躍する時期です。今季の最注目は、フォーマル用コートとされるチェスターフィールドコートですが、どのようなものをどのように着ればいいのでしょうか。

 その前に、少しメンズのトレンドの特色について書いておきます。毎シーズン変化するレディースとは違い、メンズのトレンドの中心は定番のものとなります。つまり基本は「今季はどの定番が流行るか」であり、それを理解しておけば毎シーズン買い足すことなしに、今季らしいスタイルを作ることができます。しかし定番といえどもシルエットや素材等の緩やかな変化(5~10年ぐらいで変わる)があるので、そのぐらいの周期で買い換える必要はあります。今季ではチェスターフィールドコート、スウェットシャツ、タートルネック、大柄チェックなどがこの範疇に入ります。

 それに対して、本来の意味でのトレンド、つまり毎シーズンごとの一過性の流行というものもあります。今季ではバイカラー(シャツやニットなどで用いられる2色の切り替え)や、カラーパンツなどです。これらは次のシーズンに流行遅れになっている可能性が高いので、あまり多く買う必要もなく、また安いもので構いません。

この2つの種類のトレンドを盛り込んだ、カジュアルのチェスターフィールドコートのスタイル例。

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 メインのチェスターフィールドコートは、Super Thanksという新鋭ブランドのもの。デザインとクオリティーの割にはリーズナブルで、雑誌にもよく取り上げられています(しかもこれは新品未使用の新古品。かなり安かった)。チェスターフィールドはビジネス、カジュアル兼用と言われますが、カジュアルに着るにはそれ専用のものがいいと思います。このタイプはジャケットを伸ばしたようなテーラード型なので、サイズ感がシビアです。よってジャケットの上に着れるサイズの物をニット等の上に着ると、少し大きいだけでぶかぶかの印象を受けます。また仕事着を休日に着ているような感じを避けるため、カジュアルな要素(このコートの場合、大柄チェックとパッチポケット)があるものがいいでしょう。

 インナーのニットは赤とベージュのバイカラータートル。これも.efilevolと言う国内新鋭ブランドのものですが、アクリル主体の素材なのでそのブランドにしては格安でした。パンツはウール混の細身のスウェットパンツ。チェスターフィールドに合わせるパンツはタイトなものでないと、裾がもたつきます。よくデニムを合わせている人がいますが、ドレスダウンというよりただ手を抜いているように見えることが多いです。

 結局、本当に今年らしいものと言えばバイカラーのタートルだけですが、十分に2013年秋冬を意識したスタイルとなっていると思います。今季のアウターを迷っている人は、とりあえずチェスターフィールドコートを探してみましょう。これなんか、リーズナブルで高品質でお勧めです。


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プロフィール

Author:大熊座から来た男
HNは池澤夏樹『スティル・ライフ』より。
ブログ名は、ツンデレ美少女風に読んでください。
CV:今井麻美、斎藤千和推奨。

膵腺房細胞癌という非常に珍しい病気と闘いながら、気候変動(特に北極圏問題)や気候工学(ジオエンジニアリング)について学んだ情報を発信していきます(体調不良のため、最近は闘病ブログになりつつあります)。気候学は独学で勉強中なので、いろいろとご指摘お願いします。

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