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2013年9月の北極海氷体積

 ワシントン大PIOMASの、北極海氷体積の推定値が更新されました。画像は以下のサイト Arctic Sea Ice からの物です(掲載許可をいただいています) http://neven1.typepad.com/blog/2013/09/piomas-september-2013.html

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 赤い線が2013年9月現在の推定値です(PIOMASの推定値には大幅な誤差が含まれる可能性があります)。ほぼ2010年の水準まで回復していて、おそらく最少となる9月下旬も同程度でしょう。北極圏では今年の冬に低温状態が続き、海氷が大幅に回復したので2~3年分の減少量を一冬で回復したと見られます。とりあえず、多くの研究者が予想していたような激減は起こらず、消失までにまだ数年の猶予を与えられた状態です。

 しかしこの回復はおそらく一過性のもので、次のグラフが示すように依然として海氷蹄跡の減少傾向は続いています。

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このグラフからも解るように、ここ数年の海氷減少は過去30年ほどの10年で-3200km3という減少傾向を大きく下回っており、回復したとはいえ今年も異常な減少であることには変わりありません。具体的で実効的な温室効果ガスの削減(口にするのも虚しいお題目のようにも感じられますが)と同時に、海氷消滅に対する保険としての気候工学の研究が必要とされているでしょう。


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2013年7月の北極海氷

 ワシントン大PIOMASの、北極海氷体積の推定値が更新されました。画像は以下のサイト Arctic Sea Ice からの物です(掲載許可をいただいています)http://neven1.typepad.com/blog/2013/08/piomas-august-2013.html#more 

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赤い線が2013年現在の推定値ですが、ほぼ2010年の水準まで回復しています。北極圏では今年の冬に低温状態が続いたため、海氷が回復傾向にあったのですが、その時回復した分がまだ十分に残っているのでしょう。しかし、PIOMASの推定値には大幅な誤差が含まれる可能性があることを考えると、楽観視はできません。9月末までは中止していく必要があります。

 またブレーメン大学が提供している画像で現在の海氷密度の状態を見ると、北極点近くまで密度が少ない場所が広がっているのがわかります。http://www.iup.uni-bremen.de:8084/ssmis/arctic_SSMIS_nic.png 特に東シベリア沖は氷がボロボロの状態になっているので、今後2か月でこの辺りがどのように推移するのか気になります。

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北極圏メタンによる被害総額予想

 少し前にNatureに掲載された、北極圏の気温上昇に伴うメタン放出による被害総額が、新聞等でも取り上げられています。msn産経ニュースより http://sankei.jp.msn.com/science/news/130730/scn13073011470001-n1.htm これによると北極圏メタン放出による人為的な気温上昇が+2℃になるのが2035年(実際は気候システムの熱的慣性などで、10年ほど前の2025年前後にこの温度になるのが確実となる)、被害総額が60兆ドル(約6000兆円、世界のGDP総額が約70兆ドル)となります。これは気候変動全体の被害ではなく、あくまで北極圏メタン単独の被害総額であり、全体では今世紀で460兆ドルとなるそうです。

 気候変動による被害予測では、イギリス政府の発表したスターンレビューが有名です。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%A0%B1%E5%91%8A それによると気温5~6℃の上昇はGDPの約20%の損失で、2つの世界大戦に匹敵する損害とあります。被害が本格化するのを2030年以降とし、今世紀末までの70年で被害総額460兆ドルを割ると年平均約6.6兆ドル。GDPが増加しない場合は約1割に相当し、やはり世界大戦並みの被害となります。

 そしてその被害の8割はアフリカ、アジアなどの途上国に集中すると予想されています。気候変動による災害、水不足、凶作による食糧危機などが発生すると、これらの地域で政情不安定となり大規模な紛争、戦争も起こる可能性があります。特にインド、パキスタンの間の水をめぐる争いは激しくなると予想されています(山本良一『残された時間』より)。

 北極圏に対する限定的な気候工学の適用は検討すべき段階に入っているのではないでしょうか。例えばそれによりどこかの地域で干ばつなどの異常気象が発生したとしても、その被害総額が世界のGDP1年分に匹敵する規模になるとは思えません。気候工学の悪影響で被害を受けた国に対する補償も考慮に入れて、適用するメリットがあるかどうかについて各国で議論すべきだと思います。

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2013年9月の北極海氷面積予想

 北極海氷についての情報を発信しているArctic Sea Ice Blogが、多くの科学者などに今年9月の北極海氷面積の平均値を帰納的手法、モデリング、統計などで予想してもらい、その予想を発表しています。http://neven1.typepad.com/blog/2013/06/crowd-source-prediction-of-mean-september-sea-ice-july-update.html#more グラフは引用許可をいただいています。

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中央値は約300万平方キロで、去年の9月16日に記録された341万平方キロを下回っています。IQRはInterquatile range、四分位値で、データの1/2がこの範囲に収まることを示しています。この予想は9月の平均値なので、最少面積はそれより低いことを考えると、270~80万ぐらいになるのではないでしょうか。

 もちろんこれはあくまでも予想ですが、北極海氷の減少が科学者の予想を超えて進行してきたことを考えると、これより悪くなることも十分に考えられます。また今年は、大幅な減少を記録した2007年のように、6月に海氷の中央部あたりで大きな亀裂が生じていることも気になります。ドイツのブレーメン大学が公開しているSea Ice Mapsを見ると、それがよくわかります。http://iup.physik.uni-bremen.de:8084/amsr2/

 海氷面積は体積と比較すると人工衛星で正確に測定できるので、北極圏の気候変動の指標として重要なものです。海氷が消滅してから対策を始めては遅すぎます。本当に今のような、結果を出せない温室効果ガス削減の対策だけでいいのか国際的に検討する必要があると思います。

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2013年5月の北極海氷

 ワシントン大PIOMASの、北極海氷体積の推定値が更新されました。画像は以下のサイト Arctic Sea Ice からの物です(掲載許可をいただいています)http://neven1.typepad.com/blog/2013/06/piomas-june-2013.html 

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赤い線が2013年現在の推定値ですが、大幅な減少を記録した去年より少し高い値になっています。北極圏では今年の冬に低温状態が続いたため、海氷が回復傾向にありましたが、気温が上昇した現在でもその時回復した分が残っているのでしょう。しかし、PIOMASの推定値には大幅な誤差が含まれる可能性があることを考えると、楽観視はできません。海氷融解の時期は始まったばかりなので、これから4か月近くはその状態を注視していく必要があります。

 もう一つ気になるのは、北緯85度と80度付近の2か所にできた、海氷の厚みが現在1m程度まで薄くなっている部分です。以下のサイトで詳細を見ることができます http://arctic-news.blogspot.jp/2013/06/thin-spots-developing-in-arctic-sea-ice.html#more 海氷内部にできた海水域はポリニアと呼ばれ、最近ではそんなに珍しいものではありませんが、早い時期に大きなポリニアが生じてしまうと、そこが太陽熱を吸収するため内側からも海氷の融解が加速されることになります。その影響がどの程度になりそうかは簡単には計算できませんが(どなたか専門の方がいらしたら、コメントお願いします)、これも懸念材料の一つになりそうです。
プロフィール

大熊座から来た男

Author:大熊座から来た男
HNは池澤夏樹『スティル・ライフ』より。
ブログ名は、ツンデレ美少女風に読んでください。
CV:今井麻美、斎藤千和推奨。

膵腺房細胞癌という非常に珍しい病気と闘いながら、気候変動(特に北極圏問題)や気候工学(ジオエンジニアリング)について学んだ情報を発信していきます(体調不良のため、最近は闘病ブログになりつつあります)。気候学は独学で勉強中なので、いろいろとご指摘お願いします。

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